2月だ・・・もう2月!!
今年は、去年の反省も踏まえてもっともっと映画を観ようと思っていたのに。
なんというこの体たらく・・・・
まだ1本も観にいっていない。家で観たのもわずか数本。 あぁ~・・・・
やっぱり『24』とケーブル加入が最大の原因。
ケーブルですっかりアメリカドラマやリアリティーTVにはまってしまった。
今気にっているのは『コールドケース』
もうシーズン2が終わっちゃったけど今年中に3が始まるらしい。
いわゆる「お蔵入り」した何十年も前に起こった殺人事件を捜査するお話なんだけど
作り方がすごく上手。毎週その事件が起こった年に流行った曲が流れ、過去と現在の
登場人物が所々オーバーラップする。
出演者はわざとかと思えるほど地味なキャスト。
事件の当事者達が主役。ということだと思う。
それぞれの時代背景が違うので、毎回まったく違うドラマを見ているよう。
アクションが少ない分、心に残るものが大きい。
リアリティーでは『アメリカンダンスアイドル』 はまりまくり!
エンターテイメントの国ならではのハイレベルなダンス!ダンス!ダンス!
もうトップ20になってくると、素人の私にはどれもすばらしく思えて
ただ、ただ楽しくてみてる感じ。
優勝したベンジー、気に入ってたからうれしい。
審査員がカリスマ性があって将来映画界でもきっと活躍するだろうと言ってた。
いつか、スクリーンの中で彼に会えたらちょっとうれしいかも。
そんなこんなで、映画関係がさっぱりな2007年。
今年初の投稿なので、去年観たものを書きとめておく。
■映画館■
★★★白バラの祈り
★★★トランスアメリカ
★★インサイドマン
★★★★カポーティ
★★★ポセイドン
★★★フラガール
★★★★ユナイテッド93
★★オーメン
★★★★★クラッシュ
★★ダビンチコード
★★★ディセント
★ワールドトレードセンター
★★★キンキーブーツ
★★パイレーツオブカリビアン
★★太陽
■DVD・ケーブル等■
★★★★ナイロビの蜂
★★クットナイト&クッドラック
★宇宙戦争
★バットマンビギンズ
★★ヴェラドレイク
★★★★チャーリーとチョコレート工場
★ハイド&シーク
★★★★ドラムライン
★★★ドックヴィル
★★ビックフィッシュ
★★ピーナッツ
★★★コラテラル
★★★メゾンドヒミコ
★★★ヒトラー最後の12日間
★キャプテンウルフ
★★キングのデスぺレーション
思ったほど観てなくてびっくり。
もっと観てるかもしれないけど思い出せない。
私なりの★も付けてみた。
よかった映画に関しては、おいおい感想を書いていきたい。
そして、
2006年のマイベスト1は
『クラッシュ』
次回はこの映画について・・・・
あ~・・・久々の投稿。
まず、この映画で一番驚いたのは、製作総指揮がソダーバーグだったこと。
さっき公式HPで知った・・・
なんで驚いたかっていうと、つぎに観ようと思ってソダーバーグの「イギリスから来た男」
を借りているから。なんという偶然!!
まあ、それはさておき、この作品。
なんかね、ジョージ・クルーニーのやりたい事は分かるんだけどね、どーにも盛り上がり
にかける。物足りない・・・
デイビット・ストラザーンは昔から大好きだし、今回も渋くって、ステキな叔父様っぷりを
発揮してるんだけど。
あ~、でも監督賞と作品賞ノミネートされたんだ・・・
やっぱり彼も、社会派監督になりたかったのね・・・
実話って難しい。あの頃の赤狩りの話ってけっこう映画の中でも出てくるし、分かるんだ
けど事実をそのままダイレクトに映画にしちゃうと、内容が薄い印象が残る。もっともっと
あのテレビ局の内部だけじゃなく、その当時の世界情勢や、いわれ無き赤狩りにあう人々
の事を掘り下げても良かったんじゃないかな。ハリウットでもチャップリンやエリア・カザン
ハリウットテンなんて、色々あったし。映画好きなら「赤狩り」=「ハリウッド」って印象が
あるからその辺ももっと入れてほしかった。よくばり?
さすがに身内は叩きにくいのか?
何年か前のアカデミー賞。名誉賞にエリア・カザンが選ばれた。
通常、名誉賞は全員スタンディングオーベーションが基本なんだけど、この時は
半分ぐらいの人がスタンディングを拒否していた。拍手すらしないで腕組みしてる
スターも数多くいた。
彼は赤狩りが横行している中、仲間、友人を密告し、売った人間とされている。
なんともいえない、悲しそうなエリア・カザンが痛々しく、切なかった。
何があったか、真実は分からない。だけど、その時代を一緒に生きていない者に、
彼を裁く権利なんてあるのかな?
第一、悪いのは密告者じゃなく、それを強要した政府じゃないの?
何時の世も、どこの国も、似たようなものです・・・・
コーフィーが食べる「奥さんのコーブレット」
ねずみのミスタージングルスも食べてた。
作ってみると、意外とおいしい。ブレットっていうけど、マフィンとかに近い感じ。
コーフィーは触ったものからいろんなものを感じ取れるから、奥さんの愛情も
感じたんだろうな。
キング好きな私としては、映画よりも小説の方が好き。映画になるとキング独特
の「エグさ」が取れてしまう。それにトムハンクスがね・・・まぁそれは好みの問題だけど。
キングは、この手の人物を書くのが好きみたい。弱き者に特殊能力が宿る的な。
「ザ・スタンド」ではトム・カレンという知的障害者の男が出てきて、ちょっとコーフィー
を思わせる。
私はこのザ・スタンドがキングの作品の中でもかなりのお気に入り。トム・カレンがとく
に好き。人類を救う事に一役買う重要な人物で、映画でのコーフィーと同じように、
映画を観るシーンがある。
多分小説には無かったコーフィーが看守達と映画を見るシーンは、この「ザ・スタンド」
から拝借したんじゃないかと私はひそかに思っている。
キングはホントに不思議な作家だ。小説を読むとすごく映画的な描写なのに、いざ映画
になると高い確率で、失望させられる事が多い。
キングは後数年で失明すると聞いた。物書きから視力を奪うなんて・・・・
まるでベートーベンじゃないか。
ベートーベンのように視力を失っても書き続けてくれる事を切に願うばかりである。
満を持して行ってきた
「カポーティー」
待ち望んだ映画だけに、冷静なジャッジができるかドキドキだった。
そんな心配はフィリップに対してとても失礼だったと反省している・・・
本当に彼はトルーマン・カポーティーだった。上手いとか、下手とかそんな事を考える事もできなかった。ストーリーに溶け込んでいた。
こういう特殊な人物を演じると、誰しも、特に名優といわれる方たちは過剰演技に陥りやすい。なんていうか、自分の演技に酔ってる?人がけっこう多い気がする。その結果、周りとの調和が取れずに映画全体のバランスを崩す。誰とはあえて言わないけど・・・
フィリップはずっと脇をやってた人だから映画の雰囲気に演技を合わせるのがとても上手。
きっとカポーティー自身のキャラが濃いから難しかったと思う。
私はカポーティーが被害者の遺体を見るためにお棺を開けるシーンが好きだった。恐怖心と好奇心のせめぎ合い。せりふは無かったけど、恐怖を押しのけようとする作家としての野心がみえる。あそこから引き返す事が出来なくなっちゃったんだろうな。きっと。
ストーリ自体の感想は・・・若干ネタバレします。
カポーティーが書く本のタイトルが
『冷血』なんだけど、初めは犯人の冷血と、カポーティー自身の冷血。2つの『冷血』だと思ってた。だけど観終わって思う事は、やっぱり冷血なのは犯人なんだと。カポーティーは、友人になったふり?をして犯人を利用しようとしているけど、犯人こそカポーティーを利用してなんとか罪を逃れようとしていた。泣いてはいたけれど、後悔してるようにも、被害者への謝罪の気持ちも感じる事はできない。
犯人が殺害当日の話をするシーン。私はあんなにも静まり返った映画館を今まで観た事がなかった。椅子のきしむ音も、咳払いも、何一つ聞こえない。映画も映画館も緊迫していた。
あのシーン1つで、観ているものは犯人に同情できなくなる。その位『冷血』なシーンだった。
カポーティーは作家としての禁じ手をしてしまったんだと思う。フィクションを書く人間が、ノンフィクションに足を踏み入れてしまうと嘘の物語で真実を伝えるのが難しくなってしまうのか?
この『冷血』以降カポーティは1作品も書いていない。
カポーティーの幼馴染の女性で作家のネルが、あの
『アラバマ物語』の作者だったのにはおどろいた。この
『アラバマ物語』は映画の中にも度々登場し、この映画の試写会にカポーティーが行くシーンもあった。
カポーティーはこの映画を観てどう思っただろう。私は10年位前にこの映画を観た。
グレゴリーペック(だったと思う)演じる弁護士が、正義と真実を求め黒人を弁護する話。それをペックの娘の目を通して描かれている。
興味のある人は
『アラバマ物語』観てみるともっと面白いかも。
幼馴染で、しかも同じ作家という職業につきながら、ネルの方はフィクションであっても真実に立ち向かう弁護士を描き、カポーティーはノンフィクションでありながらも、裁判を引き伸ばしたりして、どこか自分の書きたい方向へ真実を脚色しようとしている。
その矛盾に自分が一番気づいていたんだろうなぁ。
1800円でこんなに考え、堪能できる。本当に映画はすばらしい!!
私が映画のことを書くにあたって、避けては通れないいくつかの映画や監督、俳優がいる。
少しづつだけど、ぽつぽつと書いていけたらいいなと思っている。
今回は、とっても影響を受けた、黒沢明監督の
「生きる」
いきなり直球の王道!黒澤監督の映画は好きなもの挙げるときりがないんだけど
やっぱりこれは、素直にすごいと思った。衝撃だった。
主演は志村喬。黒澤映画ではおなじみだけど、主役を張るのはめずらしい。
役所に勤める男が胃がんになり、今までの自分の生き方に後悔し、とにかく
悩む。悩みまくる!このオヤジがほんとにボソボソ喋ってはっきりしないし、イライラ
させられる。そのボソボソ感がリアル。
この煮え切らない感じで今までいきてきちゃったんだろうなぁ。
喫茶店でのシーン。彼は苦悩に満ちてトボトボと階段を下りていく。階段で若い女性とすれ違う。彼女の誕生日パーティーが上で開かれ、大勢の友達が待ち構えている。
生に向かって昇る女。死に向かって降りる男。二人が階段の中央ですれ違う・・・・
言葉ではなく映像で語りかけてくる黒澤映画の力に圧倒される。
結局、彼は思い悩んだ挙句、役所に戻り汚いどぶを埋め立てて、公園を造ろうと動き出す。
そこからいきなり葬式のシーンに変わる。葬式に集まった役所の同僚の話から、徐々になぜそれほどまでに公園を造ることに情熱を傾けていたかが分かってくる。
結局彼は自分の作った公園のブランコに座りながら死んでしまう。誰にも見取られる事なく、雪の降る中で・・・・
公園を作ったところで彼のむなしい気持ちは変わらなかったんだろうと思う。
雪の中で「命短し恋せよ乙女・・・」と一人歌うシーンはあまりに悲しい。
人って、死に直面しなければ生きる事の本当の意味を知る事が出来ないのだろうか?
「生きる」って「死」を意識しながら「活きる」ことなのかなぁ~と考えてしまう。
ハリウット映画で
「マイライフ」という同じテーマを扱った映画がある。
同じ余命いくばくも無い男の話しながら、捉え方、考え方に国民性の違いを感じる。
「マイライフ」は死ぬまでにすべて清算される。父親との溝も、死への受けいれも
万事解決準備OKなのだ。
ところが
「生きる」の方はまったく逆。息子との和解も、他人との心の交流も無く
最後は孤独にむなしく死んでいく。
昭和27年当時この映画は人々に受け入れられたのだろうか?疑問。
国民がこれからがんばって生きていこうとしている時代に、あまりにも大胆すぎる。
今でこそ主人公が途中で死んだり、ストーリー進行が前後したりするのは
珍しくないけど、60年以上前にこの脚本、カメラワーク!!
世界の名だたる監督が真似するのもうなずけるでしょ。
少し前にハリウットで
「生きる」をリメイクするって聞いたけど。本当だろうか?
あと
「酔いどれ天使」をマーチン・スコセッシがリメイクするって話もあったけど。
三船&志村コンビを超えられるのか?デニーロ&ジョーペシはやめてね。
「酔いどれ天使」の三船は最高にカッコイイ!!いったい誰がやるんだろう。
個人的にはマイダーリン デルトロ様にお願いしたい所存です。